賞をもらおう――。はじめて広告賞に応募してみた
- ウォーター
- 2023年6月9日
- 読了時間: 5分
更新日:2023年9月5日

およそ賞というものに縁がない私たちないまぜ研究所のスタッフ。賞なんて必要ないといわれればそうかもしれません。でも賞は、小さなものでも励みになったり、そこから新しい発展が生まれるかもしれませんよね。そこで若手スタッフが「賞をもらおう。」をテーマにチームを結成、公募の広告賞にチャレンジすることに。仕事の合間を縫って繰り広げられた奮闘の記録、ぜひご覧ください。
ひらめき、案出し、ひらめき返し
■2022年9月14日
所内で初回打ち合わせ。メンバーは、ヨオ、ルウ、マアの女子3人と、ケイ、シイの男子2人です。この取り組みの言い出しっぺであるシイを除き、4人は25~30歳の若い面々です。
まずはどの広告賞に狙いを定めるか。
日頃は編集やライターの仕事をしているメンバーですが、コピーライティングだけでなくビジュアルも作りたい。そこで各賞を調べ、デザイン重視で制作期間が合いそうな毎日広告デザイン賞に応募することに決定。今年でなんと90回目の開催という歴史のある大きな賞です。
公式サイトでは企業の課題発表が始まっており、これを見ながらブレーンストーミング。

ここから各企業の課題が見られます(毎日広告デザイン賞2022年公式サイトより)
最初は固かったメンバーも、徐々にほぐれてアイデアがいくつも出てきました。今はなにかを限定したり否定したりせず、こうすればおもしろくなるかもという、ひらめき優先です。
■9月29日
前回の打ち合わせでよく意見の出ていた8社の中からひとり2社を選んで企業研究をしてきました。企業の特性を理解し、「なにをこの企業は求めているか」を考えていきます。
発言の中に、キャッチコピーとして使えそうなフレーズが出てくるようになりました。

左からケイ、オンライン参加のマア、ルウ、ヨオ
研究した企業の中から天塩と光文社の2社にしぼりました。
■10月18日
天塩の「赤穂の天塩」と光文社新書の「映画を早送りで観る人たち」。2つについて詰めて考えたことをメンバーが順に発表。ラフや参考資料を出していきます。
直近で課題企業が増えていましたが、この2社に集中します。
昨年までの受賞作を見ると、コピーの入っていない作品が多いのに気づきます。アイデアとイラスト勝負という感じです。
天塩は前回最高賞受賞の課題ですが、そこを気にするよりも、作りたいビジュアルを作ってみようと話し合いました。
ルウがラフで描いた天塩の女神案と相撲案をアレンジして進めることにします。早い段階でみんなの反応がよかった案です。

ラフと参考資料
女神と、お相撲さんと、龍之介と
■10月19日
シイが資料を整理していると、これはいいかも!と思える案が。上半分が芥川龍之介の「蜘蛛の糸」の全文、下半分が途中からキーワードだけが躍り出て“早送り”を表現した光文社新書案です。案出したケイに相談、みんなも賛同して復活させることになりました。
これで3種4点を応募することに。
①赤穂の天塩 女神案 ルウ・マア組
②赤穂の天塩 相撲案2種 ③光文社新書案 ヨオ・ケイ組
■11月11日
ルウが、天塩女神案のイラストを所内のPCで描いています。自身初のイラスト大作です。ツールのタッチペンは自前のもの。マアはルウのサポートとコピー立案です。

ルウのイラスト制作
■11月24日
応募は、新聞の原寸大に出力してパネル加工する必要があります。所内ではそれができないので、シイが近くのキンコーズでスタッフさんと打ち合わせ。
■11月28日
現状の作品を持ち寄り、みんなでチェック。
ルウ・マア組の天塩女神案は、海の恵みがテーマ。女神を見上げる船頭のちょんまげがキュートです。
ヨオ・ケイ組の天塩相撲案は、当初かわいいイメージでしたが、黒ベースのちょっと異質な雰囲気に変わってきました。イラストは所内デザイナーのオンさんに協力してもらいました。
■12月7日
所内にいるマアに、在宅勤務のルウから完成形に近い天塩女神案が送られてきました。女神が薄幸そうだということで、明るい表情に。バックも和柄から思い切って青い空のイメージに変えることにしました。
■12月19日
ヨオ・ケイ組の天塩相撲案も完成形に近づいてきました。インパクトはすごいかも。
光文社新書案は全30段(新聞全面の見開き)でいくことに決定。デカいです。

週末までの完成を目指すことに。待ったなしです
この取り組みの記録をサイトにアップする際にはメンバーの顔を隠すことになりますが、動物のイラストで隠そうかと話し合いました。猿はどうか。猿はいやだとケイ。じゃあそれぞれの干支にするか。それも猿だとケイ。爆笑紛糾です。
打ち合わせ後、ヨオ・ケイ組が会議室に残り、天塩相撲案のキャッチコピーの最終検討を始めました。
長かったようで、短かったようで、ついに完成
■12月23日
4点とも完成にこぎつけました。パネル用のデータをキンコーズへ入稿。
■12月26日
パネルが完成してきました。会議室で、みんなで確認。感想を話し合いました。その後応募手続きをして、パネルの発送手配。これですべての作業が終了です。

完成しました!
◆メンバーの感想
ルウ
天塩女神は最後に背景を変えたのが大変だった。時間があればもう少し改善できたかな。普段の仕事ではやらないイラスト制作とか、部署の垣根を越えて取り組めたのが楽しかった。
マア
ともかくすべての作品が期限内に完成できてよかった。間に合わないかも?と思っていたので。私の役割としては、ディレクションの部分をもっとしっかりやるべきだった。
ヨオ
出来は4つともすごくいいと思う。最初の打ち合わせでみんなのアイデアがたくさん見られたのが楽しかった。ブレストのあとは、いろんなことが割とすんなり決まっていった。
ケイ
ヨオと二人で縄跳びをしていたらキャッチコピーが降りてきた、そんな感じ。でも最後は本当に二人でよく話した。ヨオと一緒にコピーをつくれたのがいちばん印象に残っている。
年が明け、春が来て、結果発表
■2023年4月7日
初のチャレンジで、なんと入賞!…となったら最高でしたが、実際はそんなに甘くはなく、残念ながら入賞には至りませんでした。
コロナ禍でいろんなことが停滞していたときでもあり、所内で何か励みをつくれればと始めた取り組みでしたが、制作期間中は50男のシイのほうが新鮮な気持ちになれ、なにかと発見があったように思います。
メンバーには大感謝です。機会があれば、ぜひまた…!
みなさんも、広告賞への応募は誰でも、個人でもできますよ! ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょう。
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