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  • 執筆者の写真むぎちゃ

本好き、本屋好き、読書好きにはたまらない【書店が舞台の小説】3作品




今回は、書店を舞台にした小説を3作品ご紹介します。


私は読書も好きですが、“本そのもの”もすごく好きで。本をテーマにした小説を見ると読みたくなりがち。


学生のときブックオフでアルバイトをしていたりもしたのですが、ほんとに力仕事ですよね書店って。


 



①「書店ガール」碧野圭(出版社:PHP研究所)


おすすめポイント

◆たくさんの人と協力して困難を乗り越えていく姿が熱いお仕事小説

◆その時代の社会背景が描かれている

◆書店業界の裏側が見える


2015年に「戦う!書店ガール」というタイトルでドラマ化もされた小説。主演は稲森いずみさんと渡辺麻友さん。


ちなみに私はこのドラマを見ていなく、作品を知ったのは図書館でふと目にとまったのがきっかけです。


書店を舞台にしたお仕事小説で全7巻。閉店の危機、地域の書店との合同フェア、電子書籍による書店離れ…さまざまな問題に書店スタッフが奮闘していく物語。



どの話も、後半になるにつれて展開がどんどん動くので、読むのが止まらない。


この作品の好きなところは、たくさんの人の協力があってこそ困難が乗り越えられていくところ。職場の人間関係や人脈があることの大切さをすごく感じました。



とくに5巻(ラノベとブンガク)は、地元出身のラノベ作家の本の売り上げを伸ばすべく書店員、編集者、アルバイトスタッフが協力し合う姿にぐっときた。


全7巻の中でも私のお気に入りです。



また、この作品は主人公が一定ではなく、途中で中心人物が代わるのですが、これがいい。後輩へ受け継がれていくのが感じられます。



前作の主人公が先輩として登場したりするとなんだか嬉しかったりして。ちなみに、5・6巻ではガールではなくボーイも主人公になりますよ。



最後に、本はデジタルよりも紙派な私が感動したセリフを。



「電子書籍はデータであって本ではない」


 


②「金曜日の本屋さん」名取佐和子(ハルキ文庫)


おすすめポイント

◆実際にある本のエピソードに添ってストーリーが展開、読みたい本が増える作品

◆登場人物が個性的

◆短編で読みやすい


「読みたい本が見つかる本屋」と噂される書店“金曜堂”で起こる、人と本の出会いを描いた物語。全4巻で、どれも連作短編で構成されています。



実際にある本のエピソードに添ってストーリーが展開していくので、既読の人は共感できるし、未読の人には読みたい本が増える作品。



実際、私もこの作品をきっかけに「家守綺譚」(梨木香歩著)を読みました。自分だけでは読もうと思わなかっただろうなぁというジャンルだったので、とってもいい体験に。(そして面白かった)


この作品のすごいところは、登場する本が未読でも、その内容が登場人物たちの物語と合わさって自然と理解できちゃうところ。


ネタバレ気味なところまで深く物語に関わってくるものもあるのですが、未読の本であってもスラスラ内容が入ってくる。この巧みさはぜひ読んで感じてもらいたいです。



ちなみに全4巻の中に登場した本で、私が既読だったのは「ノルウェイの森」(村上春樹)と「キッチン」(よしもとばなな)。作品が出てきた瞬間、私が知ってるのも出てきた…!と嬉しかったりも。


あと、こちらの作品、出てくる登場人物がとっても個性的。本屋っぽくない(?)ワチャワチャした雰囲気が新鮮で楽しいですよ。


ただ、2巻(夏とサイダー)は、書店員の過去が明らかになる物語で重い話が多いので心の準備を。1巻がかなり爽やか~な感じだったので、温度差に私はかなりビックリしました。


 


③「古書カフェすみれ屋」里見蘭(だいわ文庫)


おすすめポイント

◆本がそっと解決へ導いてくれる「ほっこりミステリー」

◆考察が楽しい

◆短編で読みやすい


書店とはちょっと違いますが、私が好きな作品なので紹介させてください。



舞台は、カフェと古書店ふたつのスペースがある「すみれ屋」。カフェはすみれさん、古書店は紙野くんが担当しています。悩みを抱えたお客さんが、紙野くんから差し出された本をきっかけに、謎が解決していく物語です。



現在3巻まで発売されていて、どれも連作短編で構成されています。


この作品も、1つ前に紹介した「金曜日の本屋さん」と同様に実際にある本がでてくるのですが、面白いのは、本が直接的ではなく、そっと手助けしてくれるように解決へ導いてくれるところ。


本はきっかけを与えるだけで、最後は本人に考えさせるという展開になっています。



紙野君も「この本を読めば、謎が解けるかもしれません」と本を勧めるだけで、そのあとに何を思ってどう行動するかは本人にゆだねます。



本が解決しすぎない、ほどよい距離感がなんとも心地いい。



また、本の解釈の説明も丁寧なので、考察が苦手な私にとって「こうゆう風に読めるんだ」と勉強になったりも。


ストーリーも日常に潜む謎を解決していく「ほっこりミステリー」で心あたたまるものばかり。


私のお気に入りは2巻(悩める書店員)の「ほろ良い姉さんの初恋」、3巻(ランチ部事件)の「天狗と少女と玉子サンド」です。ぜひぜひ。

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