
お すすめ小説・文芸 その4

フルーツパーラーにはない果物
著:瀬那和章
自分をフルーツに例えるなら?女性4人の恋愛を描いた連作短編集。数年ぶりに読みましたが、以前と共感する部分が変わっていることに気づいてびっくり。たくさんの年代に響く作品です。

姉の結婚
著:群ようこ
ささやかな見栄を支えに生きる女性たちの短編集。現実ってこんなもん、自分だけが不幸な訳じゃないって少し心が軽くなります。

よろづ春夏冬中
著:長野まゆみ
恋愛要素多めの妖しくてオシャレな短編集。読後の余韻がとにかく良いです。男性同士の恋愛を、性別関係なく、ごく自然のこととして描かれているのもこの作品の素敵なところ。

書店員の恋
著:梅田みか
愛か金か。揺れる女性の心を描いた物語。お仕事小説というよりは恋愛小説寄りのお話です。昔流行ったケータイ小説を題材にしているのが面白い。時代がどんどん変化していることを感じさせられます。

プリズムの夏
著:関口尚
大人の女性に恋した男子高校生2人の青春小説。うつ病や生死といった重いテーマが描かれていますが、若者2人のパワーがそれを緩和させています。彼らが現実と向き合い成長する姿が良い。
第15回小説すばる新人賞受賞。

イニシエーション・ラブ
著:乾くるみ
「2度読みたくなる」傑作ミステリー。ただの恋愛小説かと思いきや、少しずつ違和感を感じさせられていく展開。この作品に出会ってから、小説はあとがきまで読むようになりました。

ピンクとグレー
著:加藤シゲアキ
芸能界で働く2人の青年の友情と孤独を描いた作品。著者がアイドルなので、芸能界の世界にリアリティがあります。そしてラストが衝撃的。芸能人に限らず、誰もが演じて生きている部分ってある気がする。

リライブ
著:小路幸也
2度目の人生を歩んだ人々のあたたかくも切ない物語。人それぞれでまったく違う幸せのカタチに胸がぎゅっとします。

大きな森の小さな密室
著:小林泰三
個性的な探偵たちが登場するミステリー。短編集でミステリー初心者におすすめ。トリックの難易度低めなので、ミステリー好きなら犯人当たりましたよね…?

モノレールネコ
著:加納朋子
絆をテーマに、日常の中に潜む非日常の世界が描かれた短編集。生と死が描かれているので、温かいだけでなく切なさ、寂しさも。飼われているザリガニ目線の家族の物語は必読。