
おすすめ小説・文芸 その5

図書館の神様
著:瀬尾まいこ
清く正しく生きてきた主人公がおおらかな生き方を学んでいく物語。いい加減だけど優しい弟、センス抜群な高校生・垣内くんがとても魅力的。「正しいことがいつも世の中の正しさと一致するわけじゃない」

思い出のとき
修理します2
著:谷瑞穂
時計の修理を通して謎を解決するほっこりミステリー第2弾。1巻と同じく空気感がとても素敵な物語。とくに「未来を開く鍵」が好きでした。いろんな人の行動が交差していく爽快感が感じられる「夢の化石」もおすすめです。

うたかた/
サンクチュアリ
著:吉本ばなな
複雑な家庭環境で育った兄弟・愛する人を失った男女の出会いと恋が描かれた2作品。辛い過去があっても前へ進む登場人物たちの姿に勇気をもらえます。「あの人はまだ自分を知らない。何もかもがまだこれからの人なのだ。

架空の球を追う
著:森絵都
ふとした光景を描いた読むとちょっと元気になる短編集。特別何かか起こるわけではないけれど、ほんのり心が温かくなる作品。お気に入りは女子会あるあるの「銀座か、あるいは新宿か」と、手紙の迷走が面白い「ハチの巣退治」です。

シャーロック・ホームズの帰還
著:コナン・ドイル
ライヘンバッハの滝からホームズ復活後の事件録。犯人を見逃す事件がいくつかあり、ホームズなりの正義を感じた一冊でした。必要であれば自分も法を犯す。ホームズの魅力ってこういうとこでもありますよね。

氷菓
著:米澤穂信
古典部員たちの青春ミステリー。少ない情報で物事を読み解いていくところに新しさを感じました。日常に潜むちょっと不思議な謎を解き明かす、ほっこりするミステリーです。

ぶたぶた図書館
著:矢崎存美
ぶたぶたシリーズ。「ぬいぐるみのおとまり会」企画実現を目指すスタッフたちの物語。ぶたぶたシリーズ初読みでした。ぶたぶたの存在が不思議すぎるけど、かわいい。「何も知らない」の結末がとても素敵で好き。

完全なる首長竜の日
著:乾緑郎
植物状態の人と意思疎通ができる機械で弟の自殺原因を探る。私の思う現実って本当の現実なのかな、なんて思ってしまう一冊。オチが分かりやすいですが、その分後半は、どう真実に気づくのかという視点でわくわくしました。

王妃の帰還
著:柚月麻子
女子高中等部2年。クラスのトップだった子が陥落したことをきっかけに仲良しグループ同士の争いが始まる。女子学生独特の空気感がすごくリアルで面白い。グループではなく個人を見る大切さを知り成長していく姿が素敵な物語でした。

イノセント・デイズ
著:早見和真
世間に報道されている過去とは全く違う、死刑囚の背景が語られるミステリー。報道内容が全て真実だと思ってはいけない。「分からないのに決めつけてはいけない」んだ。ラストは心にスッとくる納得の結末でした。